幣川神社(みことがわじんじゃ)

 
幣川神社

幣川神社拝殿

幣川神社は慶長年間(1596-1614)黄金の幣束を奉じて八幡宮と称した。
弘化二年(1845)から嘉永二年(1849)に改築が行われた。
明治六年村社になり、同十一年八月幣川神社と改称している。

 特徴と見所
1.屋根について
この時代、瓦屋根の社は珍しく、特に箱棟(屋根の最上部)の意匠は素晴らしい、巴の紋章は八幡宮の証し、火災水難の願いが込められている。また両端の鯱(しゃち)も珍しく貴重なものである。近くでは柳原神社(中御所)や長国寺(松代)に見られる程である。
2..彫刻について
 立川流彫刻棟梁清水与作の作品は高く評価されており、このような作品がここ御幣川に存在することは驚。
  ○ 「向拝」(ごはい)社殿入口の部分のことで、向拝柱の面取りも正しく、その上の欄間の一対の龍の彫り物、両端の見返獅子ともその大きさと出来栄えは素晴らしいものです。
  ○ 拝殿の正面、側面の彫刻は透かし彫りで、中心に波と亀、隣に末と小鳥、側面には竹と梅が刻まれ、それぞれが阿吽や左右の均等が保たれ作品の見事さと作者の意気込みが伝わってきます。
  ○ 「手挟」(たばさみ)拝殿入口正面の回廊の上、「海老虹梁」(えびこうりょう・曲がった梁)の上に取り付いている彫り物で、菊の花を大胆に彫り上げている、「籠彫り」(かごほり)の手法でこれだけの厚みのある作品は大変貴重なものであり、目に付かない所にあることがかえって重厚さを感じる逸品である。一度は是非ご覧いただきたいものである。